白くてみずみずしい弾力あるお肌をイメージする「もちのような肌」、おもちのような歯ごたえを想像する「モチモチした食感」など、比喩や擬音としても使われる「おもち」。でもこれって、「おもち」そのものを知らない人に説明するのはむずかしいかも……?そもそも「おもち」ってどういう意味?おもちの語源には、4つの説があります。

一つ目は、植物「モチノキ」に由来説。モチノキの樹皮から取れる粘着成分を使い、ガムのように野鳥をくっつけて捕える「トリモチ」に似ているからといわれています。ベタベタくっついて伸びるという点ではそっくり! かなり有力です。

ニつ目は、満月を意味する「望月」説。今でこそ長方形の「切りもち」が主流ですが、鏡もちは丸もちを2つ重ねたものですし、お祝いの時に投げるおもちは平らで丸い形をしていて、名残を感じさせます。実りや和をイメージさせる丸、満月の形に似せていたのだとしたら、縁起物の「もち」にピッタリ。なんだか風流ですね。

三つ目は、長持ちで持ち歩きできる保存食・携帯食としての「持ち」。シンプルすぎる気もしますが、それほど身近な存在だったとも言えるのかも?

最後は、台湾語で「もち」という意味の「モワチー」由来。これは日本語の音訳説もあり、どちらが先かよくわかっていません。

ちなみに漢字の「もち」は中国語で小麦粉をこねたものの総称で、“モチモチ感”という意味は含まれていません。右側は網の上でふくらんでいるおもちの形をあらわしているのではなかったのですね。

日本の食生活や文化にまで深く関係する「おもち」。あなたはどの説がしっくりきたでしょうか?
文・松浦松子

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